「Aさんじゃないと嫌なんですけど」

お客さんにこう言われたこと、ありませんか?
一見、Aさんへの信頼の表れに見える。でも経営者・管理職として見ると、これは警告サインです。
担当者指名が起きる理由
なぜお客さんは担当者を指名するのか。
答えはシンプルです。Aさんが来たときとBさんが来たときで、仕上がりが違うから。
医療機器のメンテナンス現場では、これが実際に起きています。
機械の動作音、メンテナンス後の動きのなめらかさ、微妙な調整の精度。ベテランのAさんと経験の浅いBさんでは、同じ作業をしても結果が違う。
お客さんはその差をちゃんと感じています。だから指名する。
「指名される」ことの何が問題なのか
Aさんが指名されるのは、Aさんの腕がいいから。それ自体は悪いことじゃない。
問題は、会社として均一な品質を提供できていないことです。
考えてみてください。
- Aさんが同時に2件の指名を受けたら、どちらかを断るしかない
- Aさんが体調不良で休んだら、その日の指名案件はどうなるか
- Aさんが退職したら、指名していたお客さんは離れるかもしれない
「Aさんじゃないと嫌だ」は、裏を返せば「Bさんじゃ不満だ」ということです。
品質のばらつきが会社にもたらすもの
短期的な影響
- 特定の担当者に案件が集中して過負荷になる
- 他の担当者のモチベーションが下がる
- スケジュール調整が複雑になる
中長期的な影響
- 「Aさん依存」のビジネスモデルになる
- Aさんが辞めると顧客離れが起きる
- 会社の評判が「担当者によって差がある」になる
医療機器の場合、品質のばらつきはクレームや不具合にもつながります。最悪の場合、患者への影響や薬機法上の問題になりかねない。他の業界より深刻度が高いです。
均一な品質をどう作るか
担当者の腕の差をゼロにすることは難しい。でも、ある一定の品質ラインを全員が超えるようにすることはできます。
① チェックリストで抜け漏れをなくす
ベテランが「当然やっている」ことを、経験の浅い人でも忘れないようにする。
② 判断基準を言語化する
「この状態なら正常」「この音がしたら要確認」という基準を明文化する。ベテランの感覚を言葉にする。
③ 仕上がりの確認方法を統一する
作業後の確認項目と確認方法を標準化する。「なんとなくOK」ではなく、数値や状態で判断できるようにする。
まとめ
「Aさんじゃないと嫌だ」という言葉を聞いたら、喜んでいる場合じゃありません。
それは品質のばらつきが表に出てきているサインです。
均一な品質を提供できる会社は、特定の担当者に依存しません。誰が行っても同じ結果が出る。それが本当の意味での信頼です。
まずは「うちの現場で、担当者によって品質差が出ていないか」を確認するところから始めてみてください。
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_Chunco Star 2 | 医療機器QA現職・修理業経験者が書いてます_


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