ちょっと耳が痛い話をします。

でも、経営者・管理職として知っておくべき現場の実態です。
属人化は「自然に」起きるだけじゃない
属人化といえば、こんなイメージを持つ人が多いです。
「忙しくて引き継ぎができなかった」
「マニュアルを作る時間がなかった」
「教育の仕組みが整っていなかった」
これはこれで正しい。でも、もう一つ別のパターンがあります。
意図的に作られた属人化です。
「俺がいないと困る」状態を作る人がいる
現場のベテランの中には、こういう計算をしている人がいます。
「自分にしかできない仕事を持っておけば、クビにならない」
「この案件は俺じゃないと無理、だから残業になる。残業代が入る」
「新人に教えたら、いつか自分の仕事がなくなる」
こういう発想で、意図的にノウハウを抱え込む人が一定数います。
ひどいケースだと、マニュアルをわざと不完全にしたり、重要な手順を口頭だけで伝えて記録に残さなかったりします。
なぜこれが起きるのか
本人だけを責めても解決しません。
こういうことが起きる職場には、共通した背景があります。
① 仕事の価値が「できること」でしか評価されていない
「あなたにしかできない仕事を持っていること」が評価される文化だと、ノウハウの独占が合理的な行動になってしまいます。
② 残業代が生活費に組み込まれている
月給が低く、残業代ありきで生活設計をしている社員は、残業を減らす動機がありません。むしろ増やしたいくらいです。
③ 将来への不安がある
「標準化が進んで自分の仕事がなくなったら」という不安を抱えている社員は、変化を歓迎しません。
経営者・管理職が気づくサイン
以下に心当たりがあれば、意図的な属人化が起きている可能性があります。
- 特定の社員だけ、毎月残業が多い
- 「Aさんがいないと」という言葉が頻繁に出る
- マニュアルがあるのに「これでは無理」と言われる
- 新人に仕事を教えるのを嫌がるベテランがいる
- 一部の社員の有給取得率が極端に低い
有給を取らせない・取れない状況も、属人化の典型的なサインです。
経営者が取るべき対策
責めるのではなく、仕組みで解決します。
① 評価基準を変える
「できる人」ではなく「育てられる人」「共有できる人」を評価する仕組みにする。ナレッジを共有した人が評価される文化を作る。
② 残業に依存しない給与設計にする
残業代ありきの生活設計を崩せるよう、基本給を見直す。残業を減らして定時で帰れることをポジティブに評価する。
③ 「標準化 = 仕事がなくなる」という不安を解消する
標準化は仕事を奪うためではなく、もっと難しい仕事に集中するためだと伝える。実際に、標準化後に上位の仕事を任せるロールモデルを作る。
まとめ
属人化には2種類あります。
- 仕組みがないことで起きる自然な属人化
- 意図的に作られる属人化
後者は、個人の問題ではなく組織の問題です。評価・給与・文化を変えることでしか解決しません。
「うちにそんな社員はいない」と思っている経営者ほど、見えていないだけかもしれません。
まずは現場の実態を正確に把握することから始めてみてください。
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